Buku

日本語で読めるインドネシアの作家3名

インドネシア人作家の本

インドネシアに興味を持ち調べていくうちに、インドネシア人の作家の本が日本で読めることが分かりました。その中で実際に自分の読んだ3名の作品を紹介します。

  • プラムディヤ・アナンタ・トゥール:Pramoedya Ananta Toer
  • アンドレア・ヒラタ:Andrea Hirata
  • ディー・レスタリ:Dee Lestari

プラムディヤ・アナンタ・トゥール:Pramoedya Ananta Toer

インドネシア語の勉強を進めていく中で、「めこん」から翻訳本を出版しているのが分かり購入したのがプラムディヤ・アナンタ・トゥールの作品です。

経歴 Wikipediaより要約

オランダ領東インド時代の中部ジャワ州のブロラの生まれ。

インドネシア独立戦争期の1947年7月、オランダ軍によって逮捕され1949年12月に釈放された。

小説を発表していたが、1965年の9月30日事件後、政治犯として、流刑の島・ブル島に送られた。ここで小説「ブル島4部作 The Buru Quartet 」を完成させた。2006年に死去。

作品紹介

  • ゲリラの家族:Keluarga Gerilja
    ゲリラのサアマンと家族の物語です。第1章で憲兵に捕まってから処刑されるまで、されたあと残された家族について書かれています。この本で「ムルデカ」と言う言葉を覚えました。
  • 人間の大地(上下):Bumi Manusia
    ブル島4部作の作品です。と言ってもその事を知ったのは下巻の後書きを読んでからです。読み初めは4部作とは知らず、上下巻で完結するハッピーエンドの物語かなと思っていましたが違いました。そう思わせたのは、主人公ミンケの視点で書かれた小説だったからです。(「ガラスの家」は違います。)本作の舞台は19世紀末のオランダ領東インドのスラバヤです。主人公のミンケとニャイ・オントソロとの出会いとその娘アンネリースとの恋から結婚しオランダ人のメルマンの変死からアンネリースがオランダに連れ去られるまでです。
    人間の大地は2020年にインドネシアで映画化され上映していました。観たかったですがダメでした。心残りです。
  • すべての民族の子(上下):Anak Semua Bangsa
    インドネシア民族(すべてのインドネシアの民族)としての意識を持ち始めたミンケをインドネシアの全ての民族の子として題名にしているのかもしれません。
  • 足跡:Jejak Langkah
    舞台はバタヴィア、バンドゥン、バイテンゾルフとなっています。ナショナリズムの黎明期をミンケを中心に書かれています。
  • ガラスの家:Rumah Kaca
    この本はミンケと違う視点で書かれています。表題の「ガラスの家」とはオランダ植民地政府が全てをお見通しだったという意味合いだと考えました。
    個人的に救われたのはニャイ・オントソロが幸せになった事ですね。

アンドレア・ヒラタ:Andrea Hirata

最近何度か日本のテレビにもインドネシア現地レポーターで出演している「加藤ひろあき」さんが翻訳したとのことで興味を持ち購入したのがきっかけです。

経歴 「虹の少年たち」の紹介より抜粋

ブリトゥン島で生まれ育った。テレコムセルに勤務している傍ら2005年に本作でデビュー。ラスカル・プランギ四部作として他に「Sang Pemimpi(夢を追いかけて)」「Edensor(エデンサー)」「Maryamah Karpov(マルヤマー・カルポフ)」がある。三作品は未翻訳。読みたいです。

作品紹介:虹の少年たち:Laskar Pelangi

ブリトゥン島の小さなムスリム学校を舞台に、新入生が10人揃わなかったら廃校になる入学式の朝、ハラハラさせられる展開です。校長のハルファン先生と担任のムスリマ(ムス)がとても優しく子供たちを見守ります。そして、個性あふれる10人の子供たちの能力が開花していきます。そして有名校との対戦、カーニバルとこちらもワクワク・ハラハラしながら読みました。ハルファン校長の言葉「最大限受け取る人ではなく、最大限与える人になりなさい」「Hiduplah untuk memberi sebanyak-banyaknya, bukan menerima sebanyak-banyaknya.」がとても好きなセリフです。日本語とインドネシア語では語順が違いますが、そこは翻訳者の加藤さんのセンスですね。日本人にはこちらの方が響く感じがします。
実は4部作と言うことをすっかり忘れていました。残り3部をインドネシアで買えば良かったと悔やんでいます。絶対戻って買うと心に誓いました。

ディー・レスタリ:Dee Lestari

この本も「加藤ひろあき」さんが翻訳したとこを知り購入した本です。最近知ったのですが加藤さんの奥様の姉妹とのことです。びっくりしました。

経歴 「珈琲の哲学」の紹介より抜粋

本名:Dewi Lestari Simangunsongバンドゥン生まれで5人兄妹の4番目とのことです。1995年にリダ・シデ・デヴィという女性3人のバンドでデビュー。小説家としてのデビューは2001年の「スーパーノバ」で2016年に発売された完結作で6部作になっている。本作は2006年に出版された最初の短編小説で、学生時代から書き溜めてきたものを中心に18の短編と散文から構成されている。とのことです。

作品紹介: 珈琲の哲学:Filosofi Kopi

経歴にも書きましたが18編で構成されています。やはり一番はこの本の題名にもなっている「珈琲の哲学」です。珈琲に夢中のベンと共同経営者のジョディが珈琲店を開いて「究極の珈琲」を作るがあるお客から言われた珈琲を探して中部ジャワへそこでセノさんの作るティウス・コーヒーに出会い衝撃を受けて店を閉める事を決める。が。
ジャカルタに居る時に珈琲店で飲みたいと思っていましたがコロナのパンデミックもあり行動に移せませんでした。自分にもやり残した事がある場所に戻れるようにしていきます。

最後に

今後再読をしてこのBlogの内容に厚みを加えたいと思っています。また、インドネシア語で本を読めたらと強く思います。まずは買ってきたFilosofi Kopiからですね。

興味のある方は本のリンクを貼っておきますので確認してみてください。